相手側のカメラコントロールができない 音がおかしい

VSXで1対1の接続を行っているのに、相手側のカメラコントロールができないと問い合わせがありました。

相手側カメラコントロールは、システムの設定でON/OFFが可能なので、まずはそこから確認をしました。
「システム」>「管理者設定」>「カメラ」内にある
「相手側からのカメラ制御」の設定をみると、双方のシステムでONに設定されています。

しかし、どちらのシステムからも相手側のカメラ制御ができません。

もう一度、接続を行ってもらい現象を確認しようとしたのですが、接続後の音声がなんとなく変です。
なんとなくこもったような明瞭でない音声が聞こえます。

通信ステータスを確認すると、映像プロトコルがH.261 音声プロトコルがG.711Uになっていました。

非常に古いプロトコルでつながっていますね。
映像も音声も最低スペックのプロトコルです。

結果としては、「システム」>「管理者設定」>「ネットワーク」>「通話タイプ設定」内にある
「基本モード可」がONになってしまっていたのが原因でした。

この「基本モード可」の設定がONになっていると、どんなにハイスペックなテレビ会議システムと接続を行っても
映像はH.261、音声はG.711というビデオ会議最古のプロトコルに固定されてしまいます。

接続に問題があるときの切り分けや、古いシステムとの接続性を担保するためにある設定だと思われるのですが
「可」と書かれていると、機能が増えるようなニュアンスがあるので、ユーザーが勝手にONにしてしまうことがあるようです。

そのためか、最近のHDXではここの表記が「診断モード」に変更されていますね。(機能は基本モード可と同じ)

設定をOFFにし、映像がH.264 音声がG.722.1C 相手側カメラコントロールOK で接続されることを確認しました。

#調べてみたところ G.711はアナログの電話回線と同程度の品質で300Hz~3.4kHzの音域を伝送するようです。
#これがG.722.1Cになると50Hz~14kHzの音域を伝送できるので、雲泥の差ですね。
#男性の声の音域は100Hz~8kHz、女性の声の音域は150Hz~10kHzくらいらしいので、G.711だと子音は聞き取りにくいのです。
#電話でもなかなか名前を聞き取ってもらえないことがありますよね。「し」とか「つ」とか。